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自動車業界の仕事内容#2!見積方法や交渉について具体的に解説!RFQ・定期改定・コストダウン

自動車業界の仕事内容で見積や価格交渉ってどうやっているのだろう?

他業界からすると、「見積対応をどうやっているのだろう?」と想像がなかなか難しいと思います。

受注活動中はもちろん見積価格は重要ですし、量産中の製品についてもコスト交渉を行うことももちろんあります。

まじま

僕は自動車業界で約10年ほど営業をしていますので、僕の経験を踏まえつつどのように見積作業や交渉を行っているのかをお伝えしたいと思います。

この記事をご覧いただいて、自動車業界の見積対応について少しでもイメージを付けていただけると嬉しいです!

目次

他業界との見積方法の違い

疑問・理由

自動車業界では見積書をお客様へ提出する際に他業界と違うのは定価がない事です。

まじま

定価・値引き率などで商売ができれば楽なのですが、自動車業界は価格に関しては非常にシビアです。

お客さんと取り交わして「部品Aの樹脂材は1kg〇円」として計算することもありますが、部品Aを製造するための加工費や利益率までは部品メーカー側で変動するところなので、一律にはできないわけです。

その理由としては、車種によって部品の形状求められる要求が違うので価格レベルが変わるからです。

ほとんど同じような形状をしていても、ある1つの個所が新規性があり加工方法が難しくなると部品価格は全く変わります。

新規性がないものであれば、例えば「材料は1kg○○円」といった取り交わしをすることもあります。

ですが、日々自動車産業の技術は変化していきますし時代に取り残されてはいけませんので常に同じようなものが量産され続けるという事は少ないのです。

そのため、基本的には定価が決められず、見積もり依頼が届いた際に都度原価を工場に算出してもらい、見積をおこなう分けです。

見積作成に時間がかかる

定価がないことにも関連しますが、見積作成まで時間がかかります

時間がかかる理由としては、このような方法で見積価格を算出していくからです。

  • 購入部品の価格算出を調達先に依頼
  • 原価(部品費・加工費)を算出
  • 見積価格を算出
  • 収益性を確認
  • 社内の承認

などを行います。

まじま

定価が決まっていて売るだけだったらどれほどいいか・・・と考えてしまいます。

1つづつ収益性まで確認して提出するので、見積の作成には非常に時間がかかります。

お客様もそれがわかっている会社が多いので、回答期限を1~2週間くらいの時間で依頼をいただくケースが多いです。

それでも、新規性のある製品だと原価算出に時間が掛かったりと、回答期限に遅れるケースも多々あります。

営業としては早く回答したいのですが、なかなか期待通りのスピード感にならないことが多いですね。

見積提出や価格交渉をする場面

自動車業界でお客様と価格交渉をするケースはこのような場合があります。

  • 量産へ結びつく新規引き合いの見積回答
  • 試作品の見積
  • 定期改定・コストダウン

特に大事なのが、受注・失注へ影響する新規引き合いへの見積回答です。

会社の収益性・売上に関係するので製品単価が大きくなればなるほど価格設定は重要になってきます。

次の章から詳しくお伝えしていきますね。

具体例1:新規引き合い(RFQ)の見積回答

新規引き合いは先ほど軽くお伝えしたように新規車種が受注できるかどうかの見積になるので非常に重要です。

RFQと言って「Request for Quotation」の略なのですが、要は見積依頼の事です。

まじま

1つの見積が会社の売上に大きく影響するため、販売価格や収益性は非常にシビアに見ていきます。

見積作成時には、こういったことを念頭に置きながら見積作成を進めていきます。

  • 受注できる見積価格
  • 収益性
  • 過去見積との整合性

受注できる見積価格

新規車種のRFQ見積の場合、受注できる価格で見積もりを出すことが何としても大事なことです。

例えばお客さんからすると、A社は技術的に少し優れていても価格が高過ぎるため、技術的には劣るがSPECは満足してコストが安いB社にするというケースもあります。

上記のように、競合他社がいる場合は競合よりも安い値段にならないと基本的には受注できません。

そのため競争力のある価格で見積を提出することが大事になるわけです。

ですが、価格を下げ過ぎると収益性が悪くなります・・・。

収益性を確保する

受注できる見積価格で提出するといいましたが、収益性が悪くては意味がありません。

収益性とは、粗利の中でも特に「営業利益」の事を指します。

見積価格の内訳

大まかにですが、このような価格構成になっています。

受注するためには見積価格が競合よりも低くないといけませんが、利益を確保しつつ下げるには製造原価を下げるしかありません。

逆に製造原価が下げられない場合は営業利益を削ることになりますが、これも会社は嫌がります。

もちろん、営業利益が確保できる数値を下回ると会社としてはNGなので、さじ加減が難しいところになります。

こういったこともあって、コストが安く収益が出せる会社は競争力があると感じますね。

過去の見積との整合性

あとは、過去に提出している見積との整合性についても大事です。

例えばですが、過去に部品Aを100円で見積回答しているものが、200円として見積を出すと「なんでこんなに高くなったの?」と疑問に思われますよね?

もちろん、購入材料の価格高騰などが理由であったり、お客様へロジックが通る形で説明ができると何ら問題ありません。

しかしながらこういったケースもあります。

  • 会社の賃率が上がった
  • 想定以上の費用が掛かっている
  • 社の方針として営業利益を最低限5%→10%確保へ変更
  • 過去見積の内訳が見つからない

こういったケースだと、お客様からすると「知らんがな!そんなの!」って事なんです。

例えば賃率が1500円/h→2500円/hに上がりましたというケースだと、「その上昇分をカバーするのはそのメーカーの努力するポイントでしょ、押し付けてくるなよ」となるわけです。

こういったこともあり、過去見積との整合性は説明ができるようにならないといけません。

慣れるまでは少し大変ですが、慣れてしまえば何ら普通の作業としてできるようになりますよ。

具体例2:定期改定・コストダウンの要請と対応

定期改定やコストダウン活動というものが自動車業界にはあります。

どちらも継続的に取引をしていたらお客様から要求されるものです。

定期改定

定期改定とは半年に1回、お客様から「売上の〇%分を量産価格から値引きしてください」という依頼です。

お客様によって言い方は変わりますが、だいたいのお客様からは半年に1回正式に依頼があります。

まじま

これが、売り上げの2%ほどを要求されますが、これがまあキツイ。

単純値引きをするだけだと、利益を2%削ることになりますから。

ですので、定期改定に向けてコストダウン活動を社内で行う事があります。

会社によって方針は違いますが、単純に値引きをするメーカーもあれば、2%を1%など金額を交渉するメーカーもあります。

僕は転職して2社経験しましたが、1社目は2%満額回答していました。今の会社はコストダウン活動を通じて協力できる金額のみとして交渉しています。

コストダウン活動

価格交渉を行う中に、お客様と一緒に行ったり、社内だけで実施することもあるコストダウン活動を行うことがあります。

文字通り、値段を下げる活動ですが、このように目的は様々あります。

コストダウン活動の目的
  • 定期改定への下げシロの捻出
  • 特定部品の値下げ要求への対応
  • 収益性が悪い製品に対し、自主的に採算性改善のために実施

具体的には加工費を下げる、部品の購入価格を下げるなど交渉・努力してお客様の要求にこたえられる金額を捻出していきます。

コストダウン活動を通じて下げた金額でもお客様の要求金額までには至らないこともあります。

ですが、会社もボランティアでやっているわけではなく、利益を出して成長していくために存在していますので無理なものは無理とお伝えして交渉する事になります。

価格にかかわる交渉は新規部品の見積だけでなく、こういったところにも存在するので新規部品の価格が妥結できたからと言って安心はできないのです。

コスト交渉を上手く行うために必要な3つのポイント

新規引き合いや定期改定の価格を交渉するためにも必要なポイントがあります。

交渉や価格設定をうまくするために、こういったことを主に気を付けています。

  • ターゲットコストをヒアリング
  • 工程や商品の説明・価格とのロジック
  • お客様との日々のコミュニケーション

ターゲットコストをヒアリング

上手くコストを交渉するためには、ターゲットコストを明確にすることが重要です。

RFQの競合価格だったり、想定の価格だったりと指標があるとそれに向けて頑張ることができるからです。

いくら収益性の取れる見積価格にしてもターゲットに全然あっていないと受注にはなりません。

まじま

ターゲットコストより見積価格が高すぎると「御社は競争力がない会社なんですね」と高いメーカーとして認識されてしまうので良くないんです。

相場感を把握して対応するためにも、ターゲットコストをつかんで見積価格を決定していくとうまく進めやすいですよ。

工程や商品の説明・価格とのロジック

見積関係の交渉を行うお客様は調達部になることがほとんどです。

ですのでお客様の調達担当に自社の工程を知ってもらい、どの工程に何を使っていて、どういうコストがかかるという事を理解してもらうと見積内容の説明は理解してもらいやすいです。

  • 材料費:部品Aが○○円、部品Bが○○円
  • 加工費:工程Aがどういう工程で○○秒かかるので○○円

などと説明ができないとお客様も納得してもらえないのが現実です。

たまに、「製品単価は○○円です、内訳は開示できないです」と言って詳細を出していないお客様もあるにはありますが、まれです。

調達担当も決済するために社内に説明する必要があるので、価格の内訳や説明ができないと承認されないことが多いです。

そういったこともあって、見積の詳細をお伝えできるロジックと工程の説明をすることが大事になります。

お客様との日々のコミュニケーション

ターゲットコストを聞いたり、工程の説明をしたりするにも調達担当さんなど、お客様と会話しやすい関係性があるか無いかで全然違います。

まじま

この案件のターゲットコストっていくらですか?と、聞かれて応えてもらえる関係性にしたいですね。

媚びを売れというわけではありませんが、日々とコミュニケーションを重ねて話をしやすい関係性を作れることが一つ大事なことです。

良い印象を持ってもらうためには、日々の仕事で信頼を積み重ねていくほかありません。

例えば、問い合わせには期日通りに対応する、電話やメールでコミュニケーションを頻繁に取るなど地道に対応を重ねることが一番良いかと僕は思います。

接待などで仲良くなるという方法もあるのかもしれませんが、本質ではないように思いますね。

そうやって信頼関係ができてきたら、重要な情報も話してもらえることもありますし、受注するためのヒントをもらえたりしますので、信頼を重ねていくことが大事だと感じますよ。

まとめ

受注活動や会社がどれだけの売り上げになるのかに重要になる見積もりについてお伝えしました。

収益性を確保しつつ受注できる金額で回答する事になるのでとても重要な業務になります。

ですが、ここが肝である事も確かなので自社に優位になるようにターゲットコストのヒアリングやお客様との日々の信頼関係を築いていく事をおすすめしますよ。

自動車関係の受注活動のなかでRFQの回答見積を行うことが多いので、自動車業界の受注活動についても合わせてご覧いただければと思います。

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