ルート営業ってキツイと言われているけれど、なぜなんだろう?
新規営業と違って、お客様が決まっているので新規よりかは楽なのかなと思われるかもしれませんが、ルート営業でももちろんキツイ部分はあります。
僕は自動車業界でルート営業を10年近くしてきました、もちろんキツイ分も感じています。
どの仕事でもそうだとは思いますが、キツイところはもちろんありますが、やりがいはもちろんあります。
具体的に言われないと想像も難しいと思いますので、ルート営業をしている僕が、どういったところにキツさを感じているのかをお伝えしたいと思います。
ルート営業の仕事内容
ルート営業の仕事内容ですが、大きくお伝えするとこの様な感じです。
- 決まった顧客が9割以上
- 新規営業は少ない
決まった顧客が9割以上
ルート営業は9割9分相手先が決まっているので、決まったお客様に対しての営業になります。
例えばですが、僕の場合はトヨタ自動車やデンソーを担当しています。
会社によって担当の持ち方は違いますが、例えばカーメーカー1社に対しての比重が大きければ1つの課で1つのお客様を担当している会社もあります。
1社のお客様ですが、販売している製品群が多くなり、品番点数が100以上になってくることも普通にあります。
お客様の会社が決まっていても、例えばトヨタの中には設計・購買・生産管理課などたくさん部署があり接する人の数は多くなりますよ。
営業の仕事と思えない仕事が多い
ルート営業は「買ってください」というような営業ではなく、お客様への納品の管理や問い合わせ対応など新規営業をしている人にとっては「それも営業の仕事なの?」と思うような事が多いです。
納期管理や技術的な問い合わせ対応など、新規営業の方からするとそんなのも仕事なのかと思う事が多々あります
新規営業だと、例えば自動車のディーラーなんかを想像するといいですが、来店された新しいお客様に車をPRして購入してもらえるような営業活動をしますよね?
ルート営業はすでに販路が構築されているところに、既存品の問い合わせや調査などを受けるのも営業の仕事になります。
購入してくれるお客さんの購買部だけではなく、品質保証部や生産管理部などもすべてお客様になるので、営業の仕事は幅広くなるのが
現役営業マンが感じるルート営業の辛い部分
前置きが長くなりましたが、今僕自身が感じるルート営業での辛い部分をお伝えしますね。
- 顧客との関係性を維持するプレッシャー
- 発言内容のさじ加減が難しい
- 新規参入のハードルが高い
- 結果が出るまでに時間がかかる
- 受注活動がおろそかになる事も
- 自分の力だけで成果が出るわけではない
顧客との関係性を維持するプレッシャー
ルート営業は決まったお客様(会社)をこれまでの担当から引き継いで担当をします。
会社と会社の付き合いになるので、これまでの関係をちゃんと維持できるかプレッシャーに感じることもあります。
特に、まだ経験が浅い方にとってはプレッシャーに感じます。
僕も新卒で入社した会社で勝手に「自分の発言一つで関係性が悪くなってしまうといけない!」と無駄に考え込んでいたものです。
それに、お客様もサプライヤーである僕たちの担当者が各部署ごとにいて、担当が変わらない限りはずっと同じ人が担当されます。
その人間関係をうまくできるように取り繕うのもしんどいところです。
フィーリングの合う人だと仕事もやりやすいのですが、そういう人ばかりではありません。
中には意地悪を言ってくる人もいて、それが自社の担当だと電話やメールをするのも嫌になります。
対応したくない相手なのに付き合わなければならないのがルート営業のキツイところです。
発言内容のさじ加減が難しい
相手企業との関係性がある中での営業なので、言いたいことが言えないこともあれば、伝え方を考えて発言をすることもあります。
長く付き合う事になるお客様の担当者と関係性は良くありたいと思ってしまうんです。
なので、無理な事を言われた時にどう言葉を返すのかを困ってしまう事もあります。
「明日納期で試作品を納品して!」と言われても、「そんなの無理ですよ」とぶっきらぼうに言うのもはばかれる人ももちろんいます。
僕の場合は「いや~それはちょっと・・・」とお伝えして、いつならできると伝えるケースが多いです。
そんな無理難題を言われるのですが、うまくかわせる言い方や方法を心得ていないとキツイと感じてしまいますよ。
新規参入のハードルが高い
先ほど少しお話しましたが、既存の企業との取引関係があるため、新規参入のハードルが非常に高いです。
営業力だけでは何ともならない部分があり、しかも既存のX社からの防衛など参入のためにはいろんなハードルがあるため、なかなか大変です。
それでも新規参入ができればやりがいにつながりますが、簡単にはいかないところがキツイと感じるところですね。
結果が出るまでに時間がかかる
ルート営業の一例ですが、僕の働いている自動車業界だと新規の引き合いが大量にあるわけではなく、1ヶ月に1~2件です。
その1~2件を必死に受注するために活動するのですが、その案件に対応して結果が出るまでも長く、受注・失注要因も様々なため結果が出るまでが非常に期間が長いです。
B To Cの個人向け新規開拓の営業であれば、案件の数が多いのと契約に至るまでの期間が短いので結果が出るのもそこそこ早いです。
ですが、そういった新規開拓営業と違って、結果が出るまでのスパンが業界的に長いものも多くそこがキツイ場合があります。
ダメだった結果が出るのも長いので、原因のフィードバックと改善ができるまでも長くなります。
気持ち的には自分の活動に対して早く結果が出て欲しいと思うので、そのあたりを耐えないといけないかもしれません。
「こういうものだ」と慣れてしまう部分も大きいので、結果だけでなくプロセスを自分で見直して営業活動を改善していくと良いですよ。
受注活動がおろそかになる事も
ルート営業は受注活動以外の仕事もたくさんあります。
- 納期調整
- 受注に関係ない問い合わせ対応
- 代金回収
- 社内会議の資料作成 などなど
このような仕事が多く、純粋な受注活動にまで手が回らない事もあります。
ここに不満を感じてしまう事も多いですよ。
会社から求められるのは新規案件の獲得と売上アップです。
忙しいのに、新規案件の受注活動にまで手が回らずに成績が悪くなるというケースになってしまって、きつく感じてしまう事もあります。
業務量の問題もあるのですが、受注と関係ない仕事は取引関係を続けていくためには対応しなければならないことがほとんどです。
ですので、忙しいのに受注活動ができずに評価されないというジレンマに陥ってしまいます。
自分の力だけで成果が出るわけではない
ルート営業の場合、自分だけの力で成果が出るわけではありません。
驚くことなのですが、ルート営業(特に製造業)は最後には製品とコストがモノを言います。
例えばですが、僕の働く自動車業界では受注活動を行うためには技術・製造と協議をしながら進めることが多いですし、最終的には彼らにも役立ってもらわないと受注できません。
営業力で何とかなるところは見積案件をもらうところや、見積もり回答後に客先からのフィードバックに対して工場へ協力を呼び掛けるところです。
そこから実際に製品を仕上げていくのは工場になるので、営業だけで成果が出ることは少なく、工場と協力して受注活動をする必要があります。
そういった意味で個人の力と企業の力で受注をすることが多いので自分だけの力で成果が出たとは言い切れないことが多いです。
なので、結果の良し悪しだけを見るのではなく結果に至るまでのプロセスの中で自分が努力した結果、導くことができた細かい結果にフォーカスする方がいいですね。
どこまでが自分で動いて得た結果と言えるか、整理してみてみれば「ここは俺ががんばったからだ」と言える部分もあります。
自分だけでは大きな結果を出すことはルート営業では難しいですが、一つ一つのプロセスに着目して結果を見てみましょう。
ルート営業の辛い部分を乗り越えた方法
辛く感じたルート営業ですが、それでも10年近くやってきています。
辛くキツい部分を乗り越えてきて振り返ると、こういう感じで乗り越えてきたんだと感じます。
- ある意味適当な人間になっても良い
- ハードルを一つ一つ超えてきた
ある意味適当な人間になっても良い
僕は超まじめな人間です。
ですが、全部が全部をまじめに対応していては体や心が持ちません。
気持ちの部分の問題ですが、ある程度案件の対応の力の入れ具合に強弱を付けていくことで何とか乗り越えもできました。
全部100%で対応するのは正直不可能なので、ある案件は人に任せたり、売上につながらないような案件は意志力を使わないようにして対応したりと強弱を付けていきました。
人間関係もそうです。
「お客様との関係が自分の言動一つで悪くなってはいけない!」とプレッシャーに感じていたのですが、いろいろと踏み込んだ言い方をしても大丈夫だと経験を重ねてきてわかりましたので、気を遣う部分は必要最低限にするようにしています。
要所を見極め、力の入れ具合をコントロールできればキツさ度合いも少しは下がりますよ。
ハードルを一つ一つ超えてきた
一つ一つハードルを越えて成長していきレベルアップしてきたので、きつさを感じる場面も少なくなりました。
最初は全くどうしていいかわかりませんでしたが、キツイ案件を一つ、また一つと乗り越えていくと「あの案件もできたから、今回もできるはず!」と感じられるようになってきました。
不具合の対応、供給問題の対応、コストダウン、受注活動でのトラブル、不可抗力な災害での理不尽な要求に対応などなど、たくさん対応してきました。
うまくいかない時にちゃんと向き合って対応していくと、どんどん対応力がついてきてキツイ案件もこなせるようになってきます。
コツは、いきなりゴールを目指すのではなく、スモールゴールを設定してひとつづつやることを明確にして対応していくことです。
確認後に、工場と客先在庫と自社在庫を選別し、不具合品が他に発生していないかを確認するわけです。
「不具合の対応をする」だけでは何をしていいかわからないので、まずは何をするかを明確にして対応していくことでひとつづつ解決できるようになりますよ。
ルート営業はきついけれどやりがいはある
ルート営業はキツイ部分もありますが、もちろんやりがいもあります。
- 結果が出たとき
- スキルアップがわかる
- チームで喜びを分かち合える
- 営業の力で間を取り持てた
- お客様から喜びの声をダイレクトに聞ける
- 社内、お客様から頼られる
業界によって変わりますが、僕が自動車業界でルート営業をしていて感じるやりがいはこのようなものがありますよ。
詳しくはこちらの記事でお伝えしていますので、合わせてご覧ください。
ルート営業ができる業界
ルート営業ができる仕事はたくさんあります。
製造業・IT・金融・人材など業界はさまざまです。
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まとめ
僕がお伝えしてきたのは製造業ですが、他の業界についても似た部分はあります。
ルート営業もキツイ部分はあります。
ですが、続けていればやりがいを感じる事ももちろんありますよ。
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